株式会社MIXI Interview
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DeployGate Interview

株式会社MIXI

企業情報

株式会社MIXI

株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

事業内容
スポーツ / ライフスタイル / デジタルエンターテインメント

ご利用中のプラン
DeployGate Enterprise

ユーザーにも開発者にも、よりよい体験を。『みてね』を支えるMIXIのものづくり

「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」をパーパスに掲げる、株式会社MIXI 。SNS『mixi』や『家族アルバム みてね』(以下『みてね』)を始め、スポーツ、ライフスタイル、デジタルエンターテインメントと幅広いジャンルで事業を展開しています。
そんなMIXIでは、よりスムーズで効率的な開発環境を実現するため、『DeployGate』のエンタープライズプランを導入。会社全体で契約し、各チームに配布する形で活用しています。
今回は、みてねプロダクト開発部の轟(とどろき)さんに、『DeployGate』の具体的な活用方法や、開発チームにおける導入の狙い、実際の効果についてお話を伺いました。

『みてね』の進化を支える開発チーム、売上とユーザー体験の両立へ

轟さん

ー まずは轟さんの自己紹介からお願いします

轟さん:『みてね』のエンジニアとして、iOSアプリ開発を中心に、Androidアプリやサーバサイドの開発に携わっています。このサービスは、子どもの写真や動画を共有・整理できるアプリで、子どもの写真や動画を「家族と共有し、コミュニケーションして楽しむ」というのがコンセプトです。
みてねプロダクト開発部では、開発領域を「ドメイン」と呼び、ドメインごとにチームが分かれています。現在、4つのドメインがあり、私はステッカードメインを担当しています。
ステッカーとは、『みてね』内で利用できるサービスの1つです。みてねにアップロードされた写真から毎月8枚のステッカーを自動で作成し配信するサービスで、より楽しくご利用いただけるように日々開発を進めており、ステッカードメイン内での新規開発にも積極的に取り組んでいます。

ー チームや個人としての目標はどこにあるのでしょうか?

轟さん:チームとしては、ステッカー機能をリリースして約1年が経ち、売上目標を掲げながら成長を目指している最中です。同時に、幅広い世代のユーザーが利用する『みてね』だからこそ、誰もが快適に安心して使える使い勝手や品質を維持し続けることも重要な目標です。『みてね』を通して、ユーザーが喜びを感じる体験を届けることを大切にしています。
個人としては、特に2つの点を意識しています。
1点目は、iOSの開発に不慣れなエンジニアでもスムーズに作業できる環境を整えることです。『みてね』では、iOSやAndroidの開発を専門としないエンジニアもアプリ開発に参加するため、誰でも負担なく取り組める環境を目指しています。
2点目は、開発者体験の向上です。コードの記述やテストの実行を効率化し、開発のスピードと品質の両立を図ることで、より素早くユーザーへ価値を届けられる環境を整えたいと考えています。

スクラムを活かした、開発作りと組織体制

轟さん

ー 開発体制についてお伺いしたいです

轟さん:ステッカードメインの開発チームは、4〜5名のエンジニアメンバーで構成されています。内訳は、iOSエンジニアとAndroidエンジニアが各1名、サーバーサイドエンジニアが2名、そしてエンジニアリングマネージャーが1名です。さらに、デザイナーやQA、スクラムマスター(以下、SM)もチームに加わっています。特に、ステッカードメインには専任のSMがいるため、開発を円滑に進めやすいのが特徴です。
事業部全体では、約50名の開発者が在籍しており、部署内のエンジニアで集まってtipsを共有する会を週に1回ほど実施しています。また、開発全体を統括するのは開発部長で、それぞれのドメインにはプロダクトマネージャー(以下、PdM)が配置されています。PdM同士も週に3回(最大で週5回)の頻度で情報共有を行い、各チームと連携しつつ、事業部全体で集まる機会を3ヶ月に1回設けることで、より良いプロダクトの提供を目指しています。

ー 現在はどのような体制で開発を進められていますか?

轟さん:スクラムは以前から取り入れていましたが、本格的に運用を始めたのは2023年の夏頃です。そのタイミングで、SMの資格を持つメンバーが入社し、全社的にスクラム開発の研修がスタートしました。
それまでもスクラムの考え方を取り入れてはいましたが、体系的な運用に移行したのはこの1年半ほどになります。現在、ステッカードメインチームでは2週間単位のスプリントでスクラム開発を進めています。

ー どのくらいのペースで機能リリースされるのでしょうか?

轟さん:『みてね』では、2週間に1回のペースで機能をリリースする方針を取っています。スクラムのスプリントで開発された機能を、そのままリリースするイメージです。
リリース前には、機能ごとにQAを実施し、品質を担保しています。テストは手動だけでなく自動化も取り入れ、幅広いケースをカバーできるよう工夫しています。
また、QA担当者とのコミュニケーションを重視し、作成されたテスト項目をエンジニアが確認することも。さらに、業務委託のテスターが事業部内を横断的にチェックすることで、品質の一貫性を維持する仕組みを整えています。
『みてね』は7言語・175の国と地域でサービスを提供していますが、海外版についても、基本的には国内版と同じアプリとして開発・運用しており、共通の要素を持ちながら管理されています。

『DeployGate』を活用した、開発・テストの効率を高める仕組み作り

轟さん

ー どのような背景で『DeployGate』を知りましたか?

轟さん:『DeployGate』のことは、当社に内定した2015〜16年頃から知っていました。入社後、一番最初に携わったサービスで利用していたこともあり、アプリ開発を本格的に始めてからは、ずっと身近な存在でした。
他のサービスも試しましたが、『DeployGate』のスムーズさには敵いません。テストビルドを実機に簡単に入れられることに驚き、学生時代にローカルでビルドし、手動で転送していた頃の手間を思い出したほどです。
特に、待ち時間がないのは大きなメリットですね。ビルドの反映に20〜30分かかると、その間に別の作業を進めるうちに、つい忘れてしまうこともあります(笑)。『DeployGate』にはそうしたストレスがなく、とても助かっています。

ー 実際、現場ではどのように『DeployGate』を利用していますか?

轟さん:開発した機能を、まずQAにチェックしてもらうのが最初のステップです。そのために専用のビルドを作成し、ビルド番号を伝えてインストールしてもらいます。QAのフィードバックを受けた後は、別の機能と組み合わせた状態でデザイナーやPdMなどの他メンバーにも配布し、再度フィードバックをもらうのがチームでの開発の流れです。
『DeployGate』は、開発した機能の動作確認や触り心地のチェックに活用しています。シミュレーターでは確認しきれない部分を実機で試し、想定どおりの挙動になっているかを確かめるためです。特に、エンジニア以外のメンバーにも実装した機能を触ってもらい、フィードバックを得る場面では重要な役割を果たしています。もちろん、エンジニア自身が試すこともあります。
ちなみに、開発者同士のチェックは基本的にプルリクエストベースで進めており、実機でしか確認できない部分を『DeployGate』でインストールして確認する形で運用しています。

ー 工数を削減するために取り組んでいることを教えてください

轟さん:プルリクエストベースでビルドを自動生成する仕組みを整えています。 さらに、『DeployGate』のリビジョン機能を活用し、特定のバージョンのビルドに固定URLでアクセスできるようにもしました。これにより、必要なビルドを簡単にダウンロードでき、不具合調査やテスト時の利便性が向上しています。
継続的インテグレーション(以下、CI)については、AndroidではGitHub Actionsを利用し、CIを構築しています。一方、iOSではGitHub ActionsとBitriseを使ってビルドや配布を自動化し、各ツールを連携させながら効率化を図っています。

ー 『DeployGate』の活用を通じて、どのような成果が得られましたか?

轟さん:アプリの配信機能を活用し、デザインやアニメーションの確認をスムーズに行えるようになりました。シミュレーターやデザインツール上では分からない微妙な違いを実機で確認することで、ユーザー視点での使いやすさを評価できていますし、メンバー同士のコミュニケーションもズレなくなった印象があります。
さらに、複数のビルド情報が保持されるため、特定のバージョンでの不具合調査がしやすくなりました。必要なバージョンを簡単にインストールし、再現確認を行うことで、問題の特定や修正が迅速に進められています。

プロダクトだけじゃない、エンジニア目線で感じる価値とは?

轟さん

ー 『DeployGate』の活用は、『みてね』の開発現場やチームにどのような影響を与えましたか?

轟さん:『みてね』の開発では、エンジニアだけでなく、それ以外のメンバーも早い段階から実装した機能を試し、フィードバックを重ねながら作り込んでいくことを大切にしています。そのため、『DeployGate』を活用し、開発した機能をすぐに配布できる環境を整えました。実機での動作確認やユーザー目線での評価がスムーズに行えることで、プロダクトの品質向上に直結しています。
また、開発のスピードが上がることで、チーム全員が「自分たちが本当に作りたいものを作れている」という実感を持ちやすくなりました。必要だと感じた機能を形にし、それが世の中で評価される。そのプロセスをリアルタイムで体験できることは、開発者としてのやりがいにもつながりますし、自己効力感も高まります。ストアのレビューなど、ユーザーからの機能改善に対する期待を感じることもありますが、そういったリアルなユーザーからの声も前向きな刺激になっています。
さらに、エンジニアにとっては、単にコードを書くことだけが役割ではなく、プロダクトをより良くするためのアイデアを自由に試せる環境があることも大きな魅力です。個々のエンジニアが専門性を活かしつつ、チーム全体でより良いプロダクトを生み出していく。その柔軟で挑戦しやすい開発体制を支えている要素の1つが、『DeployGate』ですね。

ー 『DeployGate』の価値をどこに感じていますか?

轟さん:一番の価値は、開発フェーズをスムーズに回すための機能を提供してくれていることです。『DeployGate』を活用することで、開発した機能をすぐに配布し、早い段階でフィードバックを得ながらスピード感を持って改善を進められます。
『みてね』の開発では、アジャイル開発により、できるだけ小さな単位でリリースを繰り返し、フィードバックを得ながら仮説検証を行う文化を大切にしています。この文化を維持するには、気軽にアプリを配信し、チームメンバーやステークホルダに試してもらい素早くフィードバックを得ることが不可欠です。『DeployGate』は、まさにそのプロセスを支えてくれるツールだと感じています。
また、開発者の視点で見ると、開発体験(デベロッパーエクスペリエンス)の向上にも大きく貢献しています。手作業でのビルド配布の手間がなくなり、より効率的に開発を進められるようになったことで、チーム全体の生産性も向上しました。
もし『DeployGate』がなかったら、今の開発フローを維持するのは難しいでしょう。気軽に配信して試し、フィードバックをもらうサイクルが回しにくくなりますし、ビルド配布にかかる待ち時間や作業量も大幅に増えてしまうはずです。
それに、『DeployGate』はプロダクトそのものだけでなく、その他の面でも魅力を感じる部分が多いですね。

ー ぜひ、轟さんがプロダクト以外で価値を感じる部分も教えてください

轟さん:たとえば、TGIF(Thank God It’s Friday)などの交流系のイベントは、DeployGateの会社としての雰囲気を知る機会として印象に残っています。私自身はあまり参加できていませんが、こうした場があることで社内外のつながりが生まれ、カジュアルに情報交換ができるのは大きな価値だと感じます。
加えて、『DeployGate』がすぐに使えるツールであることも魅力の1つです。私自身はすでに慣れていますが、ドキュメントが整備されており、直感的に使いやすいので、初めて触れる人にとっても技術的なハードルは低いと思います。具体例も用意されているので、他のチームでもスムーズに導入しやすいのではないでしょうか。

『みてね』らしさを育てながら、サービスとしても成長していく

轟さん

ー 今後の展望についてお伺いしたいです

轟さん:チームとしては、機能の拡充と売上の向上を目指していきたいと考えています。そのためには、「お金を払ってでも使いたい」と思える機能をどれだけ提供できるかが鍵になると思っていて。ただ単に機能を増やすのではなく、『みてね』らしさを大切にしながら、スピーディーに開発・提供していくことも重視したいですね。
個人としては、開発者としてもう一段レベルアップすることが目標です。特に、自分のスキルの幅を広げ、より多くの技術領域に挑戦したいと考えています。現在はiOS開発がメインですが、今後はAndroid開発にも取り組み、より多くの機能を生み出せるようになりたいですね。それによって会社への貢献はもちろん、自分自身が「作りたい」と思うものを形にできるようになれたら理想的です。

ー なるほど、『DeployGate』はどのような点で貢献できそうでしょうか?

轟さん:『DeployGate』は、これからも開発において重要なツールになっていくと感じています。仕事だけでなく、個人開発でも活用の機会が増えていくと思うので、今後も皆の開発フローを支え続けてほしいですね。
特に期待しているのは、知見の共有です。他の開発者がどのように『DeployGate』を活用しているのかなど、具体的な事例を学べる機会があると、自分自身の開発に活かしやすくなります。勉強会や技術ブログ、コミュニティでの情報発信がさらに充実すれば、より多くの開発者にとって価値のあるツールになるのではないでしょうか。
個人的にも、開発環境にうまく組み込みながら、より効果的に活用していきたいと考えています。『DeployGate』が今後どのように進化していくのか、今から楽しみですね。

ー 轟さん、お時間をいただき、ありがとうございました!